イベントが終了してから、3日が経ちました。
最後の挨拶の時に、言いたいことなんて全部吹っ飛んでるだろうなぁ、と思って、原稿を用意しておきました。なるべく短く済ませた方が格好もつくし、だらだらと雑感を述べるよりはメッセージが伝わりやすいだろうと思い、本当に言いたいことはだいぶ省略しました。事実、本当に吹っ飛んでいたので、あの判断は正解だったと思います。
しかし、3日経っても吹っ飛んだまま。頭は真っ白なまま。
困った。いわゆる「燃えつき」という奴だろうか。
優勝者が優勝者手記を書く時によく、当日のことを回想しながら書くように、あの日に至るまでを回想してみれば、何かに辿りつくだろうか。
思えば、今回のイベントのために最初にテストプレイを行なったのは、1年半ほど前。企画書の第1版が出来たのも、1年前。しかし実際には、「やりたい」、というより「やれるうちにやっておきたい」という思いは、もっと前からあった気がします。自分では全く気づいてませんでしたが、近しい参加者の1人に言わせれば、3年以上前から、コンセプトまでほぼ固まっていたような話をしていたらしいです。
イベントをやろうと思った一番のモチベーションは、「出したい問題が多すぎる、けど出せる場所が無い」だったと思います。だけど、ただただそれを出す、ということはやりたくなかった。「クイズ」というものが多様化していく中、様々な形のクイズに、見て、触れて欲しい。かつて自分が参加した様々なイベントで行なわれた多種多様の試みを集約する。それによって、ある一分野のクイズにしか興味が無い方に、視野を広げてもらえるのではないか。
全くもって偉そうな話です。しかし自分が、いくつかの大会をきっかけに、一気に視野が広がった、という経験がありました。あれくらい大きなことが、自分に出来るだろうか…条件は、問題、形式、会場、そして信頼出来るスタッフと、賢明な宣伝活動。
この数ヶ月は、走り回りました。様々なサークルや大会にお邪魔させて頂き、その度に宣伝をさせて頂きました。スタッフとは会議を重ねたり、メーリングリストが一晩で30通とか回ったり、一時は一触即発状態になりかけたり、体力の限界を超える人間も出て来たり…。
最初に告知を出したのが、沖縄で2週間も離島めぐりをする前日で、波照間島で誕生日を迎えた時は、「俺ホントにイベントなんてやるのかなぁ」とのんきに思ってました(準優勝の商品だった「泡波」のミニボトルはこの時に11本も買ってきたものです)。さらに大会の宣伝をしていなかった時は、ライブに行きまくってました。スタッフ会議の翌日にフジロック最終日に行ってきたり(3位の商品だった「ドラゴンドラ乗車券」はこの時にカジノの商品でもらったものです)、8・9月の週末はクイズかライブかの日々で(4・5位の商品だった「お台場冒険王・合衆国のうちわ」はこの時にもらったものです、って片方は去年だけど)、大会10日前に印刷物を刷りに行った時にまで、たまたま前を通りかかったライブハウスにどうしても見たいバンドが出ていて、大荷物を持ったまま入っていきました。これで大会で大ミスしたら世話ねーな、とか思いながらも、日々はとにかく駆け抜けていきました。
だから、今回のイベントが成功だったとしたら、本当に賞賛されるべきなのは自分ではなく、多忙を極める中でそれぞれの役割を全うしたスタッフです。イベントをやる、と言い出したのは、完全に自分のわがままです。大会1週間前になっても、映画を見たり長風呂に浸かったり、好き勝手に行動してました。だから、自分がどうなったところで、何の言い訳も出来ません。しかし、スタッフは多忙を極める中、精神が崩壊する寸前まで努力した人間がほとんどです。彼らには、どう感謝すればいいものか、本当にわかりません。
そして、参加者の皆様。集まって下さった109名の参加者のみならず、見学者の方や、来れなくてもエールを送って頂いた皆様。皆様にもまた、どう感謝すればいいものか…。別の場所には書いたのですが、クイズのイベントが、音楽や野外フェスなどのイベントと決定的に違うのは、「来場者が丸1日、主催側の都合で拘束される」というところです。好きな時にふらっと来て、適当な時間に帰る、という訳にはいかない。全ての方が最初から最後までいらっしゃった訳では無いかもしれませんが、少しでもこのイベントに関わって下さった方に、心から感謝致します。
いや、そんな言葉じゃ足りない。そんなんじゃないんだよ、俺が言いたいことは。
「旅に病で 夢は枯野を かけ廻る」
松尾芭蕉が客死の直前、最後に詠んだ句です。実は決勝は100問では決まらないと読んでいて、これを答えさせる問題を、100問目に仕込んでいました。【five-star】に至る長い長い旅路の終着点に着いたものの、また何かを成し遂げようとする夢は、死を前にしても、永遠に続いていく。
今はまだ、何も考えられません。時間はかかると思います。しかし期が熟したら、クイズという形になるかどうかはわかりませんが、また夢に向かって、歩み出すのだと思います。
残務処理とか記録集とか映像化とかいろいろありますが、ひとまず、【five-star】という大きな夢は、これにてひと段落、とさせて頂こうかと思います。
まとまりの無い文章で、失礼致しました。
最後にもう一度だけ、このイベントに関わった全ての方に、感謝致します。
2009/10/13
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿